まーヴのタンザニア暮らし

アフリカ、タンザニアでの留学生活ブログです

スターへの道?!どきどきPV撮影

テレビをつければいつもダイアモンド。

隣には頬を染めて彼に夢中な彼女。

「くそう!なんでダイアモンドばっかりなんだよ!」

 

 

と、愚痴をこぼすタンザニアの青年が一体どれだけいることでしょう。

(ダイアモンドってこんな人です

まーヴ恋に落ちるの巻 - まーヴのタンザニア暮らし

 

 

一般人であれば、「到底敵わない相手だ。」と諦めもつくでしょう。

しかし自分自身が成功を夢見るアーティストであれば・・・

 

ダイアモンドに対して抱くのは

敬意でも憧れでもなく、敵意なのです。

 

 

「く、くそう今に見てろよ!俺だって大スターになってやるんだい!」

とひそかに野望を抱いているアーティストたち。

 

 そんなアマチュアアーティストの一人、

アレックス(28)に出会いました。

f:id:mavbrown:20140515170208j:plain

(残念ながらまーヴのタイプではない。)

 普段はムウェンゲで女性の髪を編んでいます。

ダイアモンドを超えるビッグなアーティストになることを夢見て、

6年前にコンゴからタンザニアへやってきました。

 

 

自分で作詞作曲している彼、曲はスワヒリ語で歌いこなします。

(残念ながらまーヴの好きな曲調ではない。)

 

 

ア:「いい曲ができたんだ!今度PV撮影するから、君に出てほしいんだ!」

ま:「お、おう!?まーヴなの?いいの?

でもタンザニア人みたいにセクシーなダンスできないよ!」

ア:「僕が君の周りを歌いながら回りさらすから、

君はにこにこしてるだけでいいんだよ!」

 

と自分の運命を託した曲のPV撮影とは思えない

非常にライトなお誘いを受けました。

 

ボンゴフレーバ(タンザニアポップス)のPVが

一体どのように作られるのか非常に興味があったまーヴは、

なんとも軽々しくその依頼を承諾したのでした。

 

 

そこらにいるアーティストがPVの撮影をするとなると、

一般的にはTsh300,000~Tsh500,000

(日本円で18,000円~30,000円)かかるそうです。

 

 

「そこらにいるアーティスト」とは、

レコード会社と契約などをしておらず、

自らを売り出すために日々別の生業で食べている

ような人たちのことです。

彼らはカメラなど持っていませんので、

PVを作るとなると専門のカメラマンに

お願いしなければなりません。

 

受注を受けたカメラマンは、

撮影から動画の編集までを請け負います。

 

アレックスが今回このPV撮影のために

つぎ込んだお金は

カメラマン:300,000Tsh(18,000円)

場所代(プール付):200,000Tsh(12,000円)

他に出演者の交通費、食事代、衣装代を含むと

日本円で、35,000~40,000円は使ったことでしょう。(大金!) 

 

 

 

CDが売り出されないタンザニアの音楽業界で有名になるには

①TVでPVを流してもらう

②ラジオで楽曲を流してもらう

のどちらかです。

 

もっとも手っ取り早いのは

①TVでPVを流してもらうことです。

曲だけでなく、顔も一緒に売れますからね。

しかしTVで自分の曲を流してもらうのも

もちろんタダではありません

 

TV曲関係者にお願いするとなると、

「じゃあいくら払うんだ?」

となります。(さすがタンザニア!)

貧しいアーティストはここでもお金を使わなければならないのです。

ラジオ番組に自分を売り込む場合もそれは同様です。

 

有名になるには楽曲の良さ、顔の良さだけでなく

どれだけお金を出せるか

も重要な鍵となるのです。世知辛いねー

 

 

 

そんな大金をつぎ込むPV撮影。

当日は早朝7:00に呼び出されました。

「おう、よっぽど気合が入っているんでしょうなあ」

と察するも、それはまーヴの早とちり。

こっちの人が時間通りにくるわけがありません。

 

主役のアレックスがやってきたのは9:30。

カメラマンの登場は11:00。

エキストラは13:00。

 

時間通りに来たのはまーヴだけ。

ふざけてんのかよ?

 

と激怒したくなるのをこらえて

予定時間を6時間回った13:00、

ようやく撮影が始まりました。

 

今回の撮影協力者は以下の3人です。

↓まずは強面のカメラマン、アワックス

f:id:mavbrown:20140517164752j:plain

キャノンの一眼レフが武器の彼、アレックスと同じくコンゴ人です。

見た目もずいぶんやんちゃですが、

そのやんちゃっぷりは

大切な大切なカメラのレンズを

自分のTシャツでごしごし拭いちゃうほど。

全くプロフェッショナル感に欠けますが、

彼の作品を見ると意外と(失礼)いい感じの仕上がりです。

 

 

↓こちらはフューチャリングしているフランク

 f:id:mavbrown:20140517145806j:plain

緑が一段と濃くなった脇がいい感じです。

夜はバーで歌って稼いでいます。

ベテランのミュージシャンと言っていいでしょう。

 

 

↓こちらはフランクの彼女さん

f:id:mavbrown:20140517145755j:plain

フランクが歌っているところにゆったりと入ってきて

自慢の豊満なお尻をカメラに向かってふりふりするために

呼び出されました。

 

 

↓そしてまーヴ

f:id:mavbrown:20140517164653j:plain

タンザニアではPVの中でいわゆる「彼女」役で

登場する女性を「ビデオクイーン」と呼びます。

 

エキストラとして出ると思っていたのですが、

今回まーヴは、なんとそのビデオクイーンとして

召喚されたのでした。

 

・・・・私でいいの?????(爆笑)

 

おそらく他のPVとの差別化を図るために、

少しばかり色の白いおなごを投入しようと考えたのでしょう。

しかし色気のかけらもないまーヴを

PVに登場させるなんてなかなかの賭けです。

いくらまーヴがお尻を振っても

クレヨンしんちゃんみたいにしかならないですし、

しかもクレヨンしんちゃんのようなキレは

まーヴには出せません。

 

 

 

人選ミスも甚だしいぜ

と不安を覚えながら撮影スタート。

 

今回の曲、途中

「僕は君のために死ねるよ。」

とか軽~く言ってのけちゃうような

超へビー級ラブソングです。(もっと軽くいこうぜ)

 

 

カメラマンは監督も任されていますので、

アワックスの指示に従って私たちは動きます。

 

f:id:mavbrown:20140517152736j:plain

↑撮影中

 

「もうちょっとレンズに向かって訴えかけるようにするんだ!」

とか

「そこは頭じゃなくて腰でリズムをとるんだ」

とか

「キャップは横被りにしろ」

とか実に様々なアドバイスを受けます。

 

f:id:mavbrown:20140517213829j:plain

↑「あーだこーだ」

 

 

f:id:mavbrown:20140517213552j:plain

↑三脚をうまく使って撮影

 

 

 

撮影1時間経過。

カメラマンアワックス:「ちょっとメモリーなくなったみたい。」

一同:「はあ~??!」

アワックス:「取りに帰ってくる。」

まーヴ:「なんで予備の持ってないの?

ていうか出てくる前に確認してこなかったの?」

アワックス:「こんなにすぐになくなるとは思わなんだ。」

まーヴ:「はあ・・・(ため息)」

 

 

1時間後―

アワックス:「ただいま!これで大丈夫だ、開始しよう!」

 

 

気合を入れなおしたところで、お次は外に出ての撮影です。

f:id:mavbrown:20140517232244j:plain

↑プール前の芝生で撮影

さすが場所代でTsh200,000出しただけあって、

リゾート感ぷんぷんです。

 

西欧人の私たちに対する奇異な目に晒されながらの撮影です。

 

カメラに向かって熱唱するひげ面コンゴ人と

その脇でにやにやしてるアジア人と

脇汗が目立つおじさんと

おっぱいのでかいお姉ちゃんを

撮影してるのですからそれはそれは、

変な連中だったことでしょう。

 

 

 さて、カメラマンアワックスが帰ってきてから

1時間程撮影したところで、

また彼が困り顔をしているではありませんか。

まーヴ:「何、どうしたの」

アワックス:「充電が切れた」

一同:「はあ~??!」

アワックス:「別の日に撮影だね。」

まーヴ:「充電器は?」

アワックス:「家」

まーヴ:「はあ・・・(ため息)」

 

 

そんなわけで別日にもう一度撮影し直すことになりました。

前回の反省を活かし(?)、待ち合わせの

1時間後に行くと、またもそこには誰もいません。

電話すると、

アレックス:「今行くから。もう着く。」

 

しかし結局3時間待っても誰も現れず、

いいかげんに怒ったまーヴは帰宅しました。

ようやく連絡が来たかと思うと、

「カメラが盗られてみつからないから今日はなくなった。」

と・・・。

 

 

ふざけてんのかよ?(2回目)

 

 

撮影がなくなったならなくなったで、

普通連絡くらいするだろ!

「今行く」って言って3時間も

人を待たせるってどういう神経しているの。

ていうか謝りなさいよ。(激怒) 

 こちらの人の責任感のなさには本当に参ります。

 

 

タンザニアに来て8か月経って、

ようやくこちらの人の時間感覚を学ぶまーヴでした。

 

 

肝心のビデオが完成するのは一体いつになることやら。

ポレポレ、気長に待つことにしましょう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

明日からいよいよ学期末試験が始まります。

テストなんてどうでもいいのですが、

そんなことより、テストが終わると

お友達と会えなくなってしまうんです。

 

 

1年生と2年生はテストが終わると、

'Job Training'と呼ばれるものに

約一カ月間狩り出されてしまいます。

それは自分の専門分野のトレーニングなので、

教育実習であったり、観光案内であったり様々なようです。

テストが終わると大半の学生は自分の故郷に

すぐ帰って、このトレーニングに参加するので、

みんなに会うのもきっとテストの日のあと1回。

 

 

1年間私の面倒を見てくれた大好きなイケメンくんたち、

さようなら。

振り返れば私はもらったばかりで何にも返せなかった気がいたします。

 

 

 

だからせめてもと思い、

部屋の整理中に発掘された千代紙で、

鶴をおることにします。

迷惑かな。(笑)

いや、イケメンくんなら受け取ってくれるに違いない。

 

ああ、なみだ、涙、ナミダ。

 

 

 

 

 

ようこそ女の花園へ

みなさんは知っていましたでしょうか?

テレビや雑誌でよく見る美しい黒人女性が

どのように髪のおしゃれをしているのか・・・。

 

実はあの美しい髪、つけ髪なんですよ!

例えばアメリカを代表する歌姫リアーナたんの

あのつやつやの美しい髪もウィッグです。

 

アメリカのセレブ界隈の女性たちとここタンザニアの女性たちでは、

もちろん使う人工毛の質や、自然に魅せるための技術に

差はあると思いますが・・・。

 

 

さて、タンザニア女性の髪のおしゃれには3タイプあります。

①ウィッグ

②編み込み

③人工毛植えつけ

 

 

①のウィッグは、かつらを被せるだけの簡単なものです。

私の見た感じでは、かつらを被っている女性は少数な気がします。

 

②編み込み

地毛だけで編み込んで完結の人もいますが、

多くのファッショナブルガールは、地毛と共に人工毛を編み込んでいます。

 

③人工毛植えつけ

ウィッグと違うのは、頭に「植えつける」かどうかという点です。

まずは地毛の髪を編み込み、そこに人口毛を糸で縫い付けていきます。

 

↓こんな感じ

f:id:mavbrown:20140515164238j:plain

 

②、③のヘアースタイルで問題なのは、

人工毛もしくはウィッグ装着後、頭が洗えないことです。

 

そして驚くことなかれ

ファッショナブルアフリカンガールズたちはなんと

1~2カ月このヘアースタイルでいるのです。(!)

 

頭は1~2週間に一度、サロンで洗うのだそうですが、

「こんなクッソ暑いところで頭洗えないなんてJIGOKUやーん!」

と思っていましたまーヴ。

先日ついにファッショナブルアフリカンガールになりました。

 

 

今回まーヴが挑戦したのは②の編み込みスタイルです。

 

↓ビフォー

f:id:mavbrown:20140605145702j:plain

お友達のお姉ちゃんのサロンにて

 

f:id:mavbrown:20140605150355j:plain

「へいへーい編みまっせー」

 

頭の下部から攻めていきます。

 

 

~3時間後~

f:id:mavbrown:20140605174310j:plain

2人がかりで編み編み

手の動きには一瞬の迷いもありません。

すさまじい速さで編み上げます。

 

 

↓隣におったお姉ちゃん

f:id:mavbrown:20140605172110j:plain

「あ”ーーーもうほんま痛いねん!どんだけ引っ張んねんあほんだらあー」

 

 

~5時間後~

f:id:mavbrown:20140605195229j:plain

 

日もとっぷり暮れた頃、

ボブマーリー降臨スタイルがようやく完成!

(5時間座りっぱなしとかマジで冗談かよ)

 

f:id:mavbrown:20140605200514j:plain

トップで縛ってアフリカンガールのできあがり\(^o^)/

 

馴れないヘアースタイルに頭皮は悲鳴を上げ、

その夜は頭痛にうなされました。

 

まーヴはこのヘアースタイルで2カ月も寝るなんてきっと耐えられないので、

とりあえず1週間だけ我慢してみます。

 

1週間も頭洗わないと、

「え!汚い!無理!」

って思う方も多いと思いますが、市販のシャンプーって

石油系の合成界面活性剤が大量に入っていて実は頭皮に毒なんですよ!

 

まーヴがインターネットで調べて得られたシャンプーに対する認識は、

「市販のシャンプーは洗浄力が強すぎて、必要な皮脂や善玉菌まで落としてしまう。その結果、失われた皮脂を補おうとして必要以上に皮脂が分泌され、においやかゆみの原因となる悪い菌が繁殖する」

という感じです。

シャンプー怖い。将来禿るわ。

と思って日本では1年前からオーガニックシャンプーを

使うようになったのですが、ここタンザニアでは手に入らないし、

まあ1年間だけだからと思って我慢して洗浄力満点のダ〇を使ってました。

 

そういえばおばあちゃんは3日に一回しか頭洗わないって言ってましたし、

おフランスの女子たちも毎日シャンプーしないと聞いたことがあります。

 

 

となると、毎日シャンプーしないと汚い!

という現代っ子の強迫観念は

シャンプー生産会社による陰謀でしかないのです!(高らかに声を張って!)

 

という感じで、まーヴの頭が洗えないこの状況は全面的に肯定されたのでした。

と同時に日本のコマーシャル能力の恐ろしさについて考え直した次第です。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

話は全く変わりまして、先日投稿した同性愛のお話です。

嬉しいことに、まーヴのあの怒りに満ち満ちたブログに反応してくれた方が

何人かいました。(!)

Facebookでシェアしてくれたり、私に直接メッセージをくれた方、

ありがとうございました。

私のブログを読んでくれていたこともとても嬉しいのですが、

私の書いたことが何か考えるきっかけになったということが何より嬉しいです。

 

 

さて、私はその後E君とO君にもう一度同性愛問題を投げかけました。

(まーヴしつこいっちゅーねん!(笑))

 

今回はまーヴも怒りを鎮めて、

「あなたたちは宗教のせいもあって彼らを受け入れられないかもしれないけど、

'HATE'という言葉を使うと傷つく人もいるからそれは言わないでほしい。」

と伝えました。

相変わらず彼らは

「このクレイジーガールまたなんか言ってる」

と笑っていましたが、少なくともこれが原因で絶交なんて

あまりにも子どもじみているので仲直りしました。

 

この一週間でまーヴは、他のタンザニア人のお友達にも

同性愛についてどう考えるか質問してみましたが、

全員が初めは同じ反応で、まず笑い始めました。

 

そしてまーヴが怒る

というパターンです。(笑)

 

そして何度もそれを繰り返しているたびに、

分からなくなってしまったことがあります。

それは「正義」とはなにか?ということです。

 

私は同性愛者を嫌悪する人を蔑んだ目で見ていたわけですが、
それは私は自分の考えが「正しい」と思い込んでいたからでした。

 

でもこのタンザニアの中で「絶対的に正しい」とされていることに
外部からやってきた身分の私が、「正義」という大義名分を掲げて、

「あなたたちは間違ってる!」ということはできるのでしょうか。

 

彼らには彼らの秩序だった社会があるのに、

世界基準で正しいとされているリベラル派の意見が

その秩序を乱しているのではないか、と思ったのです。

 「あれ、これって白人の植民地統治とやってること根本的には変わらなくないか?」

と。

 

植民地統治には、裏に「アフリカ大陸に眠れる資源と人々の搾取」

という大きな理由があったにしろ、その表向きの名目は

「混沌とした未開の地アフリカに秩序をもたらす」というものでした。

(ここでは話が逸脱するので植民地化前のアフリカ社会が「秩序だっていた」という話はおいておきます。)

 

 

そして西欧諸国がアフリカを植民地化するときに

有効に利用したキリスト教という巨大勢力は、

皮肉にもアフリカのマイノリティには平安をもたらしました。

例えばアルビノの人々はその肌の色の違いで迫害されていましたし、

地域によっては病気を治すための薬として、彼らの皮膚、臓物が売買されていました。

生まれてきた双子の子どもは社会の悪として、殺されていた地域もあります。

こういったマイノリティの人々にとっては、

キリスト教ないし植民地政策による「アフリカ社会の崩壊」は

皮肉にも「救い」だったのです。

 

 

ここで同性愛の話を持ってくるのはあまりにも強引かもしれませんが、

私には同じ構造に見えてしまうのです。

 

つまり、西欧の正義観が「絶対的」なものとして

ここ「発展途上のアフリカ」に、

私のような外国人を通してもたらされているのです。

 

彼らにとっては「もう放っておいてくれよ」

という感覚なのかもしれません。

「なんでお前らがいつも正しいんだ?」と。

 

 

 物事には必ず良い面と悪い面があります。

見る角度を変えればその意味は180度変わってしまうのです。

 ある人にとっては正義でも、ある人にとっては悪です。

 

 

私のこのリベラルな意見は、日本社会の産物です。

そしてアフリカにとって私は「部外者」なのです。

 大きな声で叫びまくる前に

「ちょっと物言わせてください」

という姿勢でいるべきなのかもしれません。

私の考えることがいつも「正しい」と考えるなんて傲慢すぎました。

 

 

と、ここまで書いたところで

「全ての人は平等に生きる権利を持っていて、それはもちろん同性愛者も同じなわけだから、迫害なんて許せない」

と思う私の気持ちは変わらないのですが。

 

 

 

正義って一体何なのでしょうね。

難しいです。

 

 

オツムの沸騰

来週に控えた2つのプレゼン、テスト、レポート(全て英語)が、

いつもに増してまーヴをてんてこまいにしています。

どうしていっぺんに来るのよ。

 

 

しかし先日、

そんな課題の全てを吹っ飛ばしてしまうような大事件が起き、

'Kichwa kinachemka'状態になってしまいました。

まーヴの容量のないオツムの沸騰です。

 

 

絶対に忘れたくないので、

まだちゃんとその時の自分の感情を覚えているうちに、

ここに書き留めておきたいと思います。

 

 

先日、授業終わりの空き時間に

E君(タンザニア人)とO君(ボツワナ人)

とまーヴの3人でいつものようにだべっていました。

 

とっている授業が同じこともあって

今セメスターはこの3人でいることが多く、

2人とも私のベストフレンドであると言っていいでしょう。

 

E君は私と同い年の敬虔なクリスチャン、

O君は33歳で無宗教です。

 

 

その日はひょんなことから、同性愛の話になりました。

 

O君:「ボツワナでは違法ではないからゲイカップルが公共の場にたくさんいるんだ。あいつらがいちゃいちゃしているのを見るのはたまらないね。本当にやめてほしい。でもタンザニアでは全く見ないね。いい国だと思うよ。」

 

突然の発言にドキっとするも、E君が何を言うのかまーヴは待ちました。

 

E君:「当たり前だよ。タンザニアでそんな人たちの存在が許されるわけないだろう?本当に気持ち悪いよ。僕は断固として彼らを受け入れられないね!I HATE THEM!

 

まーヴ:「・・・」

 

今までも何度かタンザニアの同性愛者に対する

抑圧は聞いたことがありましたが、O君の言うとおり

タンザニアでは同性同士のカップルを見たことはなかったですし、

実際に友達との間で話題にしたことがなかったため、

あまり深く考えたこともありませんでした。

 

 

O君:「ウガンダでは違法になったことだし、そろそろ他の国もそれに倣うべきだよ。」

 

今年の2月、隣国のウガンダ

同性愛者を終身刑にできる「反同性愛法」が成立したばかりでした。

 

E君:「その通りだ!彼らは本当に正しいことをやっているよ!」

 

まーヴ:「あなたたちそれ本気で言ってるの?」

 

O君&E君:「当たり前だよ!それとも何?まーヴはまさか彼らのことが好きなの?」

 

まーヴ:「好きとか嫌いの問題じゃない。彼らも苦しんでいるのにどうやってそんな人たちのことを’HATE’とか言えるの?」

 

E君:「苦しんでる?彼らの醜態を見せられて苦しんでるのはぼくたち普通の人間のほうさ!」

 

まーヴ:「彼らは自分で選択してそうなったわけじゃないのよ。」

 

O君:「バカ言っちゃいけないよ。自分の決断だ。環境の要因もあるかもしれないけど、生まれつきではない。」

 

これは間違いです。

後天的になる人もいますが、先天的な人だっています。

そもそも先天的、後天的というのは全く問題ではないはずです。

社会的な差別で自己表現ができず、苦しんでいる人がたくさんいるのですから。

 

 

E君:「ウガンダタンザニアのように社会が’いけないこと’だと認識するべきだ。放っておくからアメリカなんかはたくさんいるんだよ。」

 

まーヴの怒りのボルテージはついに爆発。

 

まーヴ:「誰のせいで彼らが隠れないといけないと思っているの?!あなたたちがそんな偏見をもっているからでしょう!それじゃあ、あなたたちは植民地時代に黒人を動物扱いした白人と何も変わらないわね!

 

 

言い過ぎちゃいました。

 

私のこの発言に対して、E君はマジギレ

E君:「Are you stupid???!!!」

と私にため息交じりで言ってくる始末。

 

大人なO君は「やれやれ怒りっぽいなあ~」と、

私に対して考えが稚拙な子どもでも見ているような目。

 

まーヴ:「じゃあE君はもし私がレズビアンだとしたら、友達にはなれないっていうのね?

 

E君:「そうだね、なれないね!

 

まーヴ:「じゃああなたは私の友達じゃないわ!

 

私はレズビアンではありませんが、

ヒートアップしていたため、

E君に友達じゃない!なんていってしまいました。

 

周りにいた人たちは何事かと

びっくりしてこちらを見てきます。

(幸か不幸か場所は多くの学生が集うムディグリーでした)

「え、あの中国人レズビアンなの?気持ち悪い・・・」

という周囲の目線を感じます。

 

 

結局この日はこれ以上何も言わずにE君とは別れてしまいました。

 

 

 

私がぷいっと帰った後、大人なO君は

私を追いかけてきてくれました。

 

「まーヴの言ってることはわかるよ。

でもまーヴはE君がなぜ、ああいう考えを持つようになったのかを考えないといけない。

彼は将来神父になろうとしていたような敬虔なクリスチャンだ。君が知っているように、キリスト教では同性愛は禁じられている。

そしてもしそれが宗教のせいじゃないのだとしても、この社会の風潮もある。

もし彼が今のこのタンザニアの社会で君みたいなリベラルな意見を叫ぼうものなら、彼自身が迫害されるだろう。

そこまで君は考慮しないといけない。」

 

と彼は、まーヴを諭すように、冷静に、落ち着いた口調でのたまわれました。

O君自身も同性愛に対しては反対なのはさておき、

彼の意見は全くその通りで、私もヒートアップして

喚いたことを深く反省しました。

 

 

あれから3日経ちますが、

まーヴの頭はこの同性愛の一件で占領されており、

一人でもんもんとしています。

 

おそらく私と同年代の日本人は、同性愛に限らず、

初等教育でそういうリベラルな意見を

持つように大分教育されたと思います。

そして私は無宗教なので、

クリスチャンやイスラム教徒よりも

新しいものを受け入れやすいのだと思います。

 

 

もしも私が本当に同性愛者だったら

もしも私がそれをタンザニア人の友達にカムアウトしたら

 

と考えると、今までどおりに接してくれなくなるであろう

友人を思って、まーヴは非常に悲しくなりました。

そしてそれを想像するだに、私は彼らと

どう接していいのかわからなくなってしまいました。

だって、私自身が同性愛者になっていた可能性もあるのですから。

 

 

 

同性愛については、

おそらく多くのタンザニア人が

E君と同じ考えを持っていると思われます。

差別の問題は人の心の底に無意識に

植えつけられるものなので、

私がどんなに怒っても彼らの意識は

なかなか変わらないでしょうし、

それに宗教と絡んでくる(というか無理に絡ませてくる)

からまたややこしい問題なのです。

 

でも宗教を持ち出せば何でも許されると思っているのなら

それは大間違いだと思います。

歴史的に宗教によってたくさんの血が流されてきたことを考えるのなら、

そんなお堅いものにしがみついていないで、

新しいものを受けいれる寛容さも必要だと思います。

(世界のキリスト教徒さんごめんなさいね。)

 

 

 

タンザニアのことばかり言いましたが、

日本もまだまだ同性愛者が生きやすい社会ではありません。

私自身が同性愛者ではないので

当事者の文献を読んで想像したにすぎませんが、

日本における同性愛者に対する白い目は

彼らがカムアウトすることを妨げていると思います。

 

 

 

 

高校までの勉強と大学の勉強の違いは、

高校までが答えのある問題を考えるのに対して、

大学では答えのない問題を考え続けなければならないことだ。

 

と誰かが言っていたのを思いだし、

なるほどその通りだな、ふむふむと

一人納得したまーヴでした。

 

 

 

まーヴのオツムの沸騰は終わりそうもありませんが、

そろそろレポートの作成に戻ります。もんもん

 

学校ときどき遺跡のちスタック

「アフリカ」と一口に言えど、そこには異なる歴史をそれぞれに歩んできた

54もの国があるように、タンザニアと一口に言えど、

その国内にも地域により様々な顔のタンザニアがあります。

 

 

日本の約2,5倍の国土面積があるこの国には、

イスラム教キリスト教の二大宗教があり、

宗教の自由はあれど、

イスラム教徒の土地は結果として開発が遅れてしまっている

という事実があります。

 

 

そんな地域の一つであるムトワラと、遺跡が観光資源のキルワに行って参りました。

 

 

私がインターンをしているJATAツアーズで

まーヴはありがたくも添乗の命をいただいたのであります!

(といってもこの土地へ行くのは初めてでした)

ここでは私のC級な活躍ぶりはさておき、

私の見たもの感じたものをぽつぽつ載せていきたいと思います。

 

 

 

 

まずはムトワラですが、

ここはモザンビークと国境を接する、タンザニア南部の地域です。

ダルエスからはバスでも行くことができますが、

大雨の影響で道路状況があまり芳しいものではなかったため、

りっちに飛行機でぶーんとひとっ飛びです。

 

 

 ムトワラの名物と言えば、カシューナッツ天然ガスです。

カシューナッツの方はタンザニアで生産量一位を誇り、

そのお味も他の地域とは一線を画しているといいます。

まーヴも試しに買って食べてみましたが、めちゃくちゃ

甘くておいしかったです。ワインのお供にしたいと思いましたよ。

 

 

天然ガスの方は、

現在もなおダルエスへのガスパイプライン建設中で

それを巡ってムトワラで暴動を引き起こしたりしている、

 タンザニアでもホットな話題です。

今月22日はその暴動一周年記念日だそうで、

大使館から注意勧告のメールをいただきましたよ。

 

 

 

さて、そんなムトワラでまーヴ一行が訪れたのは

カシューナッツ畑でも暴動集会でもなく、

小学校と幼稚園でした。

 

f:id:mavbrown:20140429171236j:plain

 

こちらの幼稚園は町はずれの森を抜けた中にありました。

数年前に村のボランティアによって作られ、

先生の代替わりがあった今もなお、ちゃんと続いていました。

 

村の方では町に比べ、教育の重要性の認識にやはり差があると言います。

そんなでところで村の人たちから理解を得て集金するのは、

それなりの労力を伴ったであろうことは容易に想像できます。

 

しかしこの幼稚園が素晴らしいのは、

この建物に数年前に比べて変化があったところです。

ここの土地に詳しい方に案内をお願いしたのですが、

壁ができた!と喜んでおられました。

昔は木の骨組みだけだったのが、

壁ができて、黒板がついて、

子どもたちが学びやすい環境になっています。

後退でもなく、停滞でもなく

前進です。素晴らしいですね。

 

NGOのボランティアによる活動は学校に限らず、

その活動の「継続」こそが最も重要かつ難しいこと

だと、まーヴは思います。(半分自分に言い聞かせている

子どもたちの将来のためにも、

これからも継続した活動頑張ってほしいです。

 

 

お次は小学校。

f:id:mavbrown:20140429174059j:plain

 

タンザニアの小学校教育は無償で受けられることになっています。

しかし実際には、政府から学校に支給されるお金では十分でなく、

保護者からの寄付で経営が成り立っていることが多いのです。

 

授業に必須なチョークをはじめ、

子どもが勉学に集中できるように給食を配給したり

そのためのキッチンを整備したり。 

それら学校経営に関わるすべてのことが、

校長先生に任されているのです。

つまり、校長先生のマネージメント能力がダイレクトに

その学校の教育ひいては運営にまで掛かっているのです。

 

我々が訪れた学校の校長先生は敏腕経営者だったようで、

政府からの資金で賄いきれない分を、

毎日のように自分の足で生徒の家を回り

集金を呼びかけているのだそうです。泣けるわ

 

まーヴたちも去り際

「個人からでいいんだ、ほんの少しだけでも助けてもらえると嬉しいよ」

と集金を呼びかけられましたよ。敏腕!

 

小学校は一クラス45人が上限とされていますが、

この学校には一クラス90人いました。

そんなにいたのじゃ子ども一人一人に目が届かないだろうし、

結果として教育水準も下がるでしょう。

問題は、子どもの多さに先生の数が追いついていないというところ。

 

タンザニアでは先生になると、

政府によって自分の意向に関わらず国内どこでも飛ばされます。

つまり、ダルエスで勤務したくても、

「ムトワラへ行け!」と言われれば従うしかないのです。

そんな流刑に処された先生たちが

「じゃあ辞退させていただきます。」

ということも珍しくなく、それも先生不足の要因だといいます。

僻地に飛ばされる先生は給与多めにする、とか

なんか対策があればね・・・。

アフリカの中でも比較的識字率の高いタンザニアでも、

学校教育はまだまだ問題が山積みなのだと

自分の目で見て実感しました。

 

 

さて学校見学のお次は、

大音量のボンゴフレーバと共にバスで揺られること2時間。

ムトワラの北部にあるキルワで遺跡めぐりです。

 

 

キルワはその昔交易地として栄えており、

14世紀にイブンバットゥータが訪れた際には

「世界で最も美しい町だ!」と称賛したという、そんな土地です。

 

 

まずはキビンジという村から。

18~19世紀には奴隷の積出港としても栄えていたこの地域は、

奴隷貿易に従事していたアラブ人の家や、

奴隷市場がそのまま残っています。

 

 

歴史的には重要かつ保存に値するものだと

わたくしは思いますが、

観光地化が全く進んでおらず、寂れたこの町には

「保存」という概念が存在しないようでした。

f:id:mavbrown:20140430160015j:plain

↑寂れた建物

 

f:id:mavbrown:20140430160737j:plain

ザンジバル風ドア

 

ザンジバル風の木彫りのドアの中を覗くと、

そこにはミシンで洋裁をしているおじいちゃんがいたり、

木の蔓に侵された壁が壊れかけていたり、

更に悪いことには、大量のごみ捨て場になっているところもありました。

 

f:id:mavbrown:20140430160434j:plain

↑建物の中のごみ

 

歴史的建造物は廃れてしまってからでは遅いのだから

もう少しなんとかしてほしい、と思いますが

保存よりも先に解決すべき問題があってこそ

この状態があるのだと思うと暗澹たる気持ちになります・・・。

 

 

キビンジ村のお次は

世界遺産にも登録されております

ソンゴムナラとキルワキシワニの遺跡群へ。

ソンゴムナラとキルワキシワニは別々の島なので、

船で渡っていきます。

 

まずはソンゴムナラへ。

ソンゴムナラはキシワニよりもさらに奥に位置する島なので、

観光客もあまり訪れないのだといいます。

島に着いてから遺跡までの道のりは

絵本に出てくる天国と地獄のような景色でした。

f:id:mavbrown:20140501164557j:plain

 ↑太陽の光に反射する真っ白な砂が足元に広がる

 

f:id:mavbrown:20140501165031j:plain

マングローブ林の中を裸足でずんずん歩く

マングローブのどす黒い幹の色が私に地獄を連想させるのですが、

粘土質の泥の上を水に浸った裸足で歩くのは最高に気持ちよかったです。

 

 

f:id:mavbrown:20140501172350j:plain

遺跡にはところどころ補修の跡が見られました。

これはフランスの援助によってなされたそうです。

壁にはところどころモスク型の装飾が見られ、

イスラーム文化がしっかり根付いたことが窺えます。

 

 

お次はキルワキシワニへ。

キシワニもソンゴムナラ同様、

マングローブ林を抜けたところに遺跡があります。

 

f:id:mavbrown:20140501201658j:plain

↑大モスク跡

 

11世紀に最初に建てられたこのモスクは、

14世紀に入り、キルワが栄華を誇った時代に拡張されました。

天井には装飾の名残を見ることができ、

当時のキルワの繁栄が想像されます。

 

 

f:id:mavbrown:20140501202847j:plain

↑宮殿跡

 

中ではたくさんのコウモリさんたちが私たちを待っていてくれました。

スルタンの宮殿も今ではコウモリさんたちの住処なのです。

 

 

ソンゴムナラ同様、至る所に補修の跡が見受けられました。

危機遺産にも登録されてしまったキルワの遺跡群、

キシワニはユネスコによって補修されているそうです。

 

遺跡の壁をよく見ると、珊瑚の跡がありました。

珊瑚を溶かして石灰で固めて作るのだそうです。

(あまりよく理解していない・・・)

でもコンクリじゃないってすごいね!

f:id:mavbrown:20140501195816j:plain

↑遺跡とヤギ

遺跡のすぐそばには民家があり、

そこから出てきた牛みたいなヤギさんが

のんびり草を食んでおられました。なごむね~

 

 

足場の悪い道をひたすら歩き、

最後にようやく着いた宮殿の上から臨む景色は本当に素晴らしかったです。

f:id:mavbrown:20140501211530j:plain

ここからスルタンさまも

コバルトブルーの海とそこで貿易に勤しむ人々を眺めていたのかしら。

 

 

この宮殿のゲストルームは100以上もあったそうで、

大浴場、プールも備えられていました。(下に降りて海で泳げよ・・・)

朽ちた宮殿跡から、その装飾は想像することができませんが、

この当時の東アフリカの建物では

他に類を見ない華麗な建物だったそうです。

三大陸を回ったイブンバットゥータさんが言うのですから

きっと本当に栄えたバブリシャスな街だったのでしょう。

 

 

帰りはダウ船に乗せてもらいました!

f:id:mavbrown:20140501215340j:plain

↑風の力だけで進むダウ船

 

船にはひしめくほど人が乗り、沈没しないか心配でしたが、

少し浸水していただけで、15分で無事に島を渡ることができました。

 

f:id:mavbrown:20140501220039j:plain

↑ダウ船の帆

 

 

 

キルワからダルエスへの戻りはバスでしたが、

連日の大雨ですっかり悪くなってしまった道で

トラックがスタックしまくり。

f:id:mavbrown:20140502155225j:plain

↑私たちのバスの前でスタックしたトラック

 

 

そして車が動かず暇を持て余したママたちが

ここぞとばかりに魚やらを売りに外に出てきます。

f:id:mavbrown:20140502160407j:plain

↑わらわら

 

 

ついでに私たちの乗っていたバスもスタックしました。なんでやー

f:id:mavbrown:20140502160353j:plain

↑そしてわらわら

 

 

タンザニアではあるあるなのでしょうが、

タンザニアにやってきて7カ月のまーヴは

バスのスタックは初体験でした。

ダルエスはタンザニアの大都会なので

道路の舗装が進んでおり、普段の大学生活では

道の悪さに悩ませられることはありません。

 

 

一時間以上動かない車を前に

文句を言う人なんて誰一人おらず、

むしろこの状況を楽しんでいるようでした。

わらわらと出てきた人のほとんどが笑っていて、

「さーみんなで引っ張るぞー!おい、お前も手伝えよー!」

と満面の笑みで声をかけてきます。

 

 

タンザニアでは嫌なことも多いけども

こういう場面を見ると、

やっぱりいい国だなあ~

としみじみ思うまーヴでした。

 

 

 

教育問題、遺跡保存、道路舗装

今まで見ることのできなかったタンザニア

見ることができ、非常にお勉強になりました。

ムトワラ・キルワ旅行記、おわり。

 

まーヴ恋に落ちるの巻

 

f:id:mavbrown:20140507021556j:plain

 

そう、国民的大スター

Diamondに。

Diamondを私が知ったのは2年前、一人でタンザニア旅行に来た時でした。

 

 

ダラダラに乗っても、食堂に行っても、クラブに行っても

流れてくるのは彼の曲ばかり。

当時は"Nimpende Nani"という曲が流行っていて、

「おお~!スワヒリ語!少しわかる!」

と大変興奮したのを覚えています。

 

 

その頃からすでに彼はタンザニアの国民的大スターで、

タンザニアの全女子が彼に夢中♡

てな感じでした。

 

ヨーロッパでもその人気は健在らしく、

たくさんのライブを成功させています。

そう、彼はタンザニアのみならず、

アフリカを代表する大スターなのであります!

そんな彼に惚れ込んでしまうきっかけとなった

Kilimanjaro Music Awards 2014のレポートでございます。

 

 

このイベントは日本でいうところのレコード大賞みたいなもので、

年に一度行われるタンザニアのミュージシャンの祭典です。

レコ大と違うところは、

一般人によるケータイからの投票で賞が決まるというところ。

タンザニアらしくわかりやすくていいねえ~。

 

 

当日朝8時、チケットを買いに会場のmlimani city hallへ。

風のうわさで朝8時から販売開始と聞いていたのですが、

着いてみるとそれらしき人は見当たりません。

大勢の人がすでに並んでいることを想像していたので拍子抜け・・・。

 

 

やってきたスタッフに尋ねてみると、

「う~ん、僕も知らないけど多分10時くらいだろうね。」

 

 

・・・アバウト!(さすがタンザニア

 

 

 

というわけでチャイを飲んで2時間の暇つぶし。

 

しかし10時に戻ってみてもまだ販売開始していない様子。

 

こんなに待ったのにチケット売り切れてたら泣くわ・・・

と思っていたところにやっと登場しましたチケット姉ちゃん!

(もちろん遅れたのに全く悪びれる風でもなし)

 

 

聞くと、600席中まだ200席余っているらしい。

 

え、レコ大なのに?!

タンザニアの超有名アーティストが集うのに?!

 

驚きを隠せませんが、とりあえずは自分のチケットを確保できてひとまず安心。

 

 

 

 

レッドカーペットなのでおめかしが必要よ♪

と言われ、おめかししました。

 

 f:id:mavbrown:20140503192059j:plain

↑おめかししたかや坊。

 

 

 

ちなみに私はタンザニアに来て初めてお化粧しました。(7カ月ぶり!)

部屋を出る前にルームメイトに

「そんな恰好じゃ恥ずかしいわよ!」

といわれ、彼女の超ミニドレスを無理やり頭から被らされました。(苦笑)

 

 

 

さて、チケットには7時スタートと記載されています。

「いい席も取りたいし、6時には会場に着いていないとなあ。」

と思い日本感覚で6時に会場に着くと、そこにいたのは私たち日本人だけ。

 

「・・・ま、まあまだ1時間もあるしね。そのうち来るよみなさん・・・」

 

 

ー1時間経過

 

f:id:mavbrown:20140503194350j:plain

「一向に人増えないね・・・」

 

 

ていうか7時スタートじゃないの?!

 

どうやら7時オープンの間違いだったようです。

紛らわしいよキリマンジャロさん・・・。

 

 

結局観客がわらわらと入ってきたのは9時を回ってからで、みんな9時開始と知っていたらしい。

日本人みたいに「席取りしないと!」っていう感覚はないご様子でした。

 

 

待ちに待って9時50分

ようやく始まりました!

(この時点で50分の遅れだが、誰も気にしていない!

テレビ中継は一体どうしてるんだ!)

 

 

オープニングアクトはどこかのダンスチームによるパフォーマンスと

なんたらかんたら(忘れた)っていうアーティストによるステージ。

 

 

 

f:id:mavbrown:20140503214303j:plain

↑なんたらかんたらさんのステージ

 

 

おそらく本物だと思われますマサイの人たちをバックに従えて、

イケイケのラップを披露。会場は大沸き。

 

まーヴはというと大笑いしてまいました。

だってマサイの人たち、ヒップホップに合わせて真顔でジャンプするんですもん。

 

 

後日、大学のパフォーミングアートの私のお友達は

「彼らのステージが最もアメージングだった!彼らこそ賞を受賞すべきだ!」

とコメントしておりました。

 

確かに、真剣な顔をしたマサイの人たちをヒップホップでジャンプさせるとは斬新です。

でもこのマサイたち、一体いくら積まれてここに狩り出されてきたのでしょう・・・。

きっとわけがわからないままジャンプさせられているのだろうなあ・・・。

 

 

 

オープニングアクトで会場が温まったところで、賞の発表がされていきます。

 

ジャンルは

アフロポップ、ズーク、レゲエ、R&B、タアラブ、ヒップホップ

と細分化されており、その中でも更に女性シンガー、男性シンガー

と分けられています。

 

その他、ベストミュージックビデオ賞、ベストフューチャリング賞などもあり、

全部で36部門もありました。

 

 

 

 

そして今年

過去最多で

7つもの賞を受賞したのがあの!

Diamond

でした!!!

 

 

(きゃーぱちぱちぱち♡)

 

 

 

今年、彼の楽曲がノミネートしている部門では全て受賞!

Diamondの名前が呼ばれる度に

会場では私の周りの女子が叫びまくりでした。

 

 

発表直前「受賞者は・・・」

f:id:mavbrown:20140504020919j:plain

・・・ごく。

 

 

 

 

 

 

 

 

Diamond!!!!!!

 

f:id:mavbrown:20140504020936j:plain

 「ぎゃーーーーーーー!!!!!

 

 

 

f:id:mavbrown:20140504020950j:plain

へーい!!!!!!!

 

 

 

隣のお姉ちゃんおもろすぎでした。

 

でもDiamondがステージ上で彼女にキスしたときには私も一緒になって

ぎゃーーーーーー!!!!

と叫んでしまいました。(このミーハー女め。)

 

 

 

↓当日の彼のパフォーマンスがYOUTUBEにアップされていました。

 


Diamond akitumbuiza 'My Number 1' kwenye tuzo za Kili 2014 - YouTube

 

 

 

実際にステージを見ると大興奮!

 

 

あれ、私ってこんなに彼のこと好きだったの・・・?

こ、これは恋なのですか・・・?

 

 

てな感じで、数日経った今でもDiamondで頭がいっぱいで

ふわふわしている。(なーに言ってんだ。)

 

 

実はそんな大スターDiamondにまーヴ会ったことがあるんです。

 

f:id:mavbrown:20140227075613j:plain

↑ちゃっかり写真撮ってもらった

 

これはキリマンジャロマラソンに行く前のダルエスの空港で、

本人を見つけた時にはドキドキしてなかなか話しかけられませんでした。

でもお願いしたら気さくに写真撮ってくれました。

しかもこの写真、なんとDiamond本人がインスタグラムに

「韓国人のファンに写真撮ってってお願いされちゃった♡」

とコメント付きでアップしていたらしいです。

後日友達に

「ゆか!なんで君がダイアモンドと写真撮ってるんだ!」

と言われて知りました。

まあ、私日本人だけどね。

 

 

そんなわけで、まーヴがDiamondを実際に見るのは

今回のイベントで2回目だったわけですが、

やっぱりパフォーマンスしているときの彼の輝きは

他とは異なるものがありました。

(ただ単にミーハーなだけだ。)

 

 

すっかり彼の虜になってしまった今、

彼に黄色い声援を浴びせる女子をもう笑えなくなってしまいました。

 

 

こうやって誰かを神格化して崇拝したりするのって

宗教にすごく似ている気がします。

自分の手の届かない圧倒的な存在っていうのは

時に勇気、安らぎを与えますからね。

まーヴの神様はマイコー様で、これが揺らぐことはないかと思いますが、

時には他神を拝むのも良いでしょう。

しばらくはDiamond教でスワヒリ語をお勉強したいと思います。

 

 

 

 

いけめん、ばんざーい!

 

  

 

~おまけ~

f:id:mavbrown:20140504025837j:plain

イベント終了後、驚くべき迅速さでもってカメラマンが

スターたちのドレスアップ写真を売り捌いていました。

日頃からこれくらい一生懸命お仕事してくれたらいいのに。

 

 

ようこそ天国へ

こんにちは大変ご無沙汰しておりましたまーヴでござります。

このblogの読者がいるのかどうかとても疑わしいところですが、

一カ月以上も放置してしまったこの怠慢の言い訳をさせてください。

 

 

時は一カ月ほど前に遡りますが、

ワタクシのタンザニアの全思ひ出を詰めに詰め込んでいた外付けハードディスクがなんと機能不全となり、お亡くなりになられました。

幸い、イケメンフォルダだけは別に作っていたのであまり意気消沈することもありませんでしたが、

blogに載せようとしていた写真たちが取り出せなくなってしまったので、

もういいや・・・。

と思って放置してしまいました。

 

と思っていたのですが、載せたかったザンジバルの写真の一部が別のフォルダから見つかったので(身に覚えなし)、更新することにします。

 

 

 

 

 

ザンジバルとは、1964年にタンガニーカと合併した、アフリカ大陸本土の東に浮かぶ諸島の総称でございます。

アラブイスラーム文化が色濃く、大陸本土とは全く異なる雰囲気のタンザニアを楽しめます☆きらーん

 

歩いているだけでも楽しいザンジバルですが、

ストーンタウンは世界遺産に登録されているし、奴隷貿易時代の歴史はお勉強できるし、おまけに海がきれいだということもあり、すっかり観光地化しております。

 

 

そんなわけで物価はえらく高く、昼ごはん食べるのにも私のお財布は悲鳴をあげますが、先日も現実逃避して行って参りました。

だって寮のトイレが壊れて糞便が溢れ返ってたんだもん・・・

 

 

 

さて、写真と共にザンジバルの宣伝をばりばりしていきたいと思います!

(旅行会社の回し者とかじゃないですよ!)

 

 

f:id:mavbrown:20140217174629j:plain

↑おまずはストーンタウンで見られるザンジバルドア

 

この木製ドアは、オマーンのスルタンがインドからわざわざ彫刻師を連れ帰ってきて彫らせたのが始まりである

とどこかの本で読んだことがあるような気がします。(大分うろ覚えそして自信なし・・・)

しかしインド洋交易の影響でザンジバルに広まったということは確かなようです。

できるだけ大きく、そして豪華な装飾を施せるということが、その時代の富の証だったのだとか。

現在でも彫刻師がドアを彫っているのを街で見かけることができます。

 

しかしドアにお金かけるなんて、この時代のアラブ人の美的意識って本当に高いわね!

 

 

 

 

お次は海でございます!

f:id:mavbrown:20140315162440j:plain

見てくださいこの透明度の高い海!

この透き通った海を前に飛び込まないなんて不可能でございます!

 

ザンジバルではマリンアクティビティも充実しており、

シュノーケリング、ダイビング、ドルフィンツアーなどを楽しむことができます。

 

まーヴはシュノーケリングを2回しましたが、

道具も貸してもらえてなんと3000円弱!

テレビの映像でしか見たことのないような世界が自分の眼下に広がっていました。

あまりにも楽しくて、まーヴは時間を忘れてお手手の指がおじいちゃんみたいになるまですっと潜っていましたよ。

 

 

ドルフィンツアーは、野生のイルカさんを見つけてボートで追っかけて行き、

「さあ、今飛び込むのだ!」

というお兄さんの指示に従い飛び込みます。

もたもたしているとイルカさんはすぐに海の底に泳いで行ってしまうので、

なかなか一緒に泳ぐことはできませんが、

そんな運命任せな感じがまたわくわくします。

ちなみにまーヴは、お察しの通りもたもたしたので、

海の深淵に消えて行くイルカの尾を見ただけで終わってしまいました。

 

 

f:id:mavbrown:20140315184751j:plain

↑ビキニ美女を探せ!

 

 

 

そして欠かせないのが夜の屋台!

f:id:mavbrown:20140217014658j:plain

ストーンタウンのすぐそこにありますフォロダニガーデンでは、

毎夜屋台が出ています。

新鮮なシーフードの串焼きやザンジバルピザは是非食べておきたいですね!

 

お兄さんと値段交渉するのもなかなか楽しかったりします。

外国人はやっぱり少し高めの値段を言われますからね。

あとこの公園、異常に猫さんの数が多いです。食べ物を狙ってくるので要注意!

 

 

 

f:id:mavbrown:20140314234554j:plain

↑夕刻になると海岸でサッカーする少年たち

 

涼しくなると、ビーチでは上裸で筋トレをしている男前集団にもお目にかかれます。

イケメンにて目の保養をされたい方は、夕日を見に出かけるふりをして、

積極的にビーチに出ていくことをお勧めします。

 

 

 

まーヴは他に、

巨大なカメがわさわさいるプリズンアイランド、

白い砂浜が美しいパジェビーチ、

奴隷時代の跡が残るマンガプワニ

にも行きました。

写真を載せたいのですがないのが残念です・・・。

 

 

特にマンガプワニの遺跡は行ってよかったと思います。

奴隷貿易は1897年に廃止されましたが、その後も奴隷は密輸され続けました。

その時秘密裏に使われていたのが、マンガプワニの港です。

奴隷は内陸から遥々ザンジバルまで運ばれ、この美しい海へと放り出されていったのです。

私は奴隷が収容されていた地下室を訪れましたが、鎖をつないでいたと思われる穴が生々しく残っていました。

マンガプワニはストーンタウンから離れている為あまり観光客は訪れないようですが、歴史を伝えるためにも是非ともきちんと保存し、後世に伝えていってほしいと思います。

 

 

 

 

ほらほーらあなたもタンザニアに来たくなったでしょう?

まーヴがはりきって連れて回りますよ!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

話はザンジバルから飛びまして、ここ最近のまーヴの周辺出来事です。

 

 

実は4月からまーヴは、JATAツアーズという旅行会社でインターンをさせてもらっています。

週に二日、片道2時間かけてオフィスに通っています。(ダルの大渋滞は地獄!)

まだまだお仕事には慣れていませんが、大学では学べないたくさんのことを学ばせていただきたいと思っています!

 

 

 

そしてタンザニアでは3月から絶賛大雨季中です!

バケツから水をふっかけたような雨が2週間前まで何日か続いていました。

そのおかげで舗装されていない道路はめちゃくちゃ。

あちこちで車がハマり、大渋滞が起こっていました。

まだまだ雨季は明けないようですが、まーヴは先日買ったばかりの傘をその2時間後になくしたので、もう買いません。

 

 

 

ルームメイトともたくさん喧嘩をしています。

相変わらずふてこい態度のゴリラ姉さんは生ごみを平気でベランダに捨てます。

私が何度頼んでもダメなのでもう諦めました。

あと、勝手に使われたら嫌なものは、鍵をかけてクローゼットの中に隠すことにしました。

何で私がこんなことしないといけないの?

って思うこともままありますが、タンザニアの学生と一緒に生活して、

「もうー!なんでやねーん!!!」

っていうために留学に来たので、そんな自分の初心を忘れずに、残りの生活も健やかに過ごしていきたいものです。

 

ただ、やはり怒りたくなるものはしょうがないので、

積極的にミルクを飲んでカルシウム不足を補いたいと思います。

 

 

 

お次は、インターンのお仕事で先週ムトワラとキルワに行ってきたので、その時の旅の記事をあげたいと思います!

 

ちゃんちゃん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

探せ、生き残りの百獣の王

日本ではなかなか罹らない様々な病気に日々うなされる娘を心配してか、いやはやアフリカに対するただの好奇心に突き動かされてか、日本から母が遥々やってきました。

私の弟を半ば無理やり狩り出して。

(だって英語できないんだもーん by母)

 

半強制連行された弟は全く浮かないご様子で、どうやって彼のご機嫌をとろうかと考えた末、まーヴはとりあえず動物さんを見せにいくことにしました。

 

野生動物で有名なタンザニアにせっかく来たのだし動物を見ないわけにはいかんでしょう!と思いまして。

(まーヴは全く持って動物に興味がないですけどね!)

 

タンザニアには国立公園がいくつかありますが、今回はンゴロンゴロ国立公園を含む一泊二日のツアーを予約しました。

(動物興味ないとか言ってここに来るのは2回目であーる)

 

一日目はモシからマニャラ湖へ向かいマサイの村を訪ね、

二日目はンゴロンゴロを堪能する!というスケジュールです。

 

 

 

一日目

ホテルに迎えにやってきた4WDとご対面して不安を覚える我々。

だって車内のカーステレオがぼろぼろでビニールテープがぐるぐるしてあるんだもの・・・。

しかもドライバーさんもひょろひょろで困り顔だしなんだか心もとない。

大丈夫かなあーと心配しつつも出発。

 

出発して1時間経たないうちに警官に止められました。

け「車両証明書は?」

ド「・・・、(がさごそ)・・・。」

け「はい、罰金30000Tsh(1800円)ー。」

ド「・・・マジかよ!」

 

1時間経過

け「車両証明書は?」

ド「ないけどさっき罰金払ったよ」

け「領収書は?」

ド「・・・、(がさごそ)・・・。」

け「はい、罰金30000Tsh(1800円)ー。」

ド「・・・マジかよ!(泣)」

 

ドライバーさんマジ泣きで静まる車内。勘弁してよー

 

 

6時間ほど走って、マニャラ湖の近くの町に到着。

ド「ここから君たちには自転車に乗ってもらう。」

我々「えええええええ!聞いてない!なんでや!」

 

突然自転車に乗れと告げられ大ブーイングでしたが、仕方がないので従うことに。

 

しかし自転車のタイヤはパンクしてんのかよってくらいにすかすかだし、ブレーキは効かない。

交換を要求すると「こっちは僕のだからダメ!」

・・・子どもかよ。(苦笑)

代わりに持ってこられた自転車は日本の中古ママチャリだし。もはや笑い

ママチャリはおかんに押し付け、気を取り直してマニャラ湖へと向かいます。

 

 

1時間くらいこいだでしょうか。

森を抜けるとそこには絶景が!

 

f:id:mavbrown:20140311220511j:plain

 

見渡す限り一面草原でした。

口笛はなぜ~遠くまで聞こえるのっ

 

f:id:mavbrown:20140311220327j:plain

 ↑疲れ果てた弟と元気はつらつなママチャリおばばとワタクシ

 

 

遠~くの方にちらちらと輝く水面が見えましたが、それよりもからからに枯れて割れた大地が印象に残っています。これも温暖化の影響なんでしょうか

 

来た道をまた必死こいて戻り、お次はマサイの村へ。

 

私たちが到着すると歓迎のダンスを披露してくれました。

f:id:mavbrown:20140311235852j:plain

そして一緒に混ざって歌って踊るまーヴジュニア

 

 

f:id:mavbrown:20140312002329j:plain

↑案内してくれたマサイさん

 

さて、マサイの人が通過儀礼でライオンを狩ってくるというお話はご存じでしょうか。

あの百獣の王と一対一で闘い、勝利しないとマサイの社会では大人と認められないのです。

私はそのお話は遠い昔の伝説だと思っていましたが、聞いてみるとなんと彼は笑顔で

「8頭やったよ」

と答えました。

腕には傷跡が闘いの証として残っていました。

あのライオンとやり合うなんて想像するだに恐ろしや。やっぱりマサイの人かっこいい。

 

 

村の真ん中に異常に広いアクセサリー売り場があったことから想像するに、この村は商業用にこしらえた村だと思いますが、それでもマサイの人たちはとても親切でまーヴのいやらしい質問にも全て笑顔で答えてくれて私は非常に楽しかったです。

マサイの人と接していると自分のことをとても誇りに思っているのが伝わってくるので、私はいつも背筋がしゃんとなる気持ちがします。

 

 

二日目

いざンゴロンゴロへ!

の前に、ライオンを見るためにイスラエルからやってきたおばさまが同乗することになりました。

なんでも前日に車が故障して動かなくなったため、同じツアー会社で予約した我々にすがるほかなかったそうな。

三人で予約したのにー。可哀そうだしまあいっか。

 

 

さてンゴロンゴロについて。

ンゴロンゴロ地域には、ンゴロンゴロ・オルモティ・エンパカーイという3つのクレーターが並び、これら活動を停止したものも含め9つの火山が分布する。ンゴロンゴロクレーターは数百万年前に出来た火山カルデラに広がる平野を指す。外輪は南北16km、東西19kmと世界有数のカルデラである。中央には湖が存在する。人類発祥の地と目されるオルドパイ渓谷がこのクレーターの西にある。

ンゴロンゴロの外輪は標高2,400mあり、カルデラ内部の平野(1,800m程度)と比べてが高い。このためカルデラ内部は外部と遮断されており、このカルデラ内に生息する大型動物のほとんどはカルデラの外にでることはない。周囲と隔離された生態系が形成されるに至った。しかしながら、キリンインパラ以外の東アフリカサバンナに生息する動物はほぼ観察することができる。

by Wikipedia

 

今回私たちが訪れたのは、そのバカでかいクレーターです。

f:id:mavbrown:20140312160606j:plain

↑写真じゃ伝わらないくらいに大きいクレーター、とカメラを向けるとよくわからないポーズをきめる母。

 

 この下のクレーター内に動物さんがいっぱいいるなんて不思議な気分であります。

 

f:id:mavbrown:20140312170603j:plain

クレーター周辺にはマサイの人々も多く暮らしており、時間制限はありますがクレーター内でも放牧が認められているそうです。

 

野生動物といったら、なんと言っても百獣の王ライオンです。

しかし運転手さんによるとクレーター内に生息するライオンは現在たった十八頭しかいないそう。

原因はいくつかあるそうですが、その一つがマサイのライオン狩りだそうで、彼らは現在クレーター内のライオンを狩ることを禁じられているそうです。

(ドライバーさんに聞いただけなのでどこまでが真実か確証はありません)

 

あのだだっ広いクレーターにたった十八頭!!!?

そりゃあー相当運が良くなきゃ見れねえな・・・オワタ\(^o^)/

イスラエルから来たおばはんご愁傷さまあー!

 

と、潔くライオンを諦められるわけもなく、広い草原のどこかにライオンはいないかと目を凝らして探検が始まりました。

 

 

まず私たちを出迎えてくれたのはしまうまさん

f:id:mavbrown:20140312175941j:plain

お尻が筋肉質でいいね

 

 

お次はバッファロー 

f:id:mavbrown:20140312180544j:plain顔の老け具合と身体のアンバランスさがセクシー

 

 

プンバ

f:id:mavbrown:20140312180017j:plain

 歩くたびに揺れるお尻に萌え萌え

 

 

パンクしたタイヤ

f:id:mavbrown:20140312172952j:plain

心配そうに見守るまーヴジュニア

弟「ライオンどころじゃねー」

 

気を取り直して草原を突き進みます。

そろそろしまうまさんにも見飽きてきました。

と、急に4WDを方向転換させるドライバーさん

ド「奴の香りがするぜ!くっ、お前らは本当についてるな!」

 

しばらく走るとそこにはあの百獣の王の姿が・・・!

f:id:mavbrown:20140312182844j:plain

ガオー!

 

一同大興奮。

 

f:id:mavbrown:20140312181943j:plain

けっ、毛が!風に揺れているのが見える!息が聞こえる! 

 

 

f:id:mavbrown:20140312191259j:plain

 超イケメンなおなごまで侍らしていらっしゃる!

 

 

 

 

この日私たちの運はよかったのか、なんと全部で八頭のライオンを見ることができました。

イスラエルおばさん良かったね。

そしてドライバーさんやるじゃん!

あとライオンを目の前にしても怖気づかずに闘って帰ってくるマサイの青年って一体・・・。

両者とも甲乙つけ難いイケメンです。

 

 

さて、持てる運を全てライオンで使い果たしてしまったのか、我々の4WDはその後20回程エンストし、帰りは修理のため土砂降りの中2時間立ち往生させられました。

 

さすがに怒ったまーヴは帰ってお金の返金を要求しましたが、後日M-pesaで送るとかなんとか言って結局着信拒否されています。

 ライオン見せとけばおとなしくしてるとでも思ったら大間違いよ!

 

嗚呼、タンザニア