探せ、生き残りの百獣の王
日本ではなかなか罹らない様々な病気に日々うなされる娘を心配してか、いやはやアフリカに対するただの好奇心に突き動かされてか、日本から母が遥々やってきました。
私の弟を半ば無理やり狩り出して。
(だって英語できないんだもーん by母)
半強制連行された弟は全く浮かないご様子で、どうやって彼のご機嫌をとろうかと考えた末、まーヴはとりあえず動物さんを見せにいくことにしました。
野生動物で有名なタンザニアにせっかく来たのだし動物を見ないわけにはいかんでしょう!と思いまして。
(まーヴは全く持って動物に興味がないですけどね!)
タンザニアには国立公園がいくつかありますが、今回はンゴロンゴロ国立公園を含む一泊二日のツアーを予約しました。
(動物興味ないとか言ってここに来るのは2回目であーる)
一日目はモシからマニャラ湖へ向かいマサイの村を訪ね、
二日目はンゴロンゴロを堪能する!というスケジュールです。
一日目
ホテルに迎えにやってきた4WDとご対面して不安を覚える我々。
だって車内のカーステレオがぼろぼろでビニールテープがぐるぐるしてあるんだもの・・・。
しかもドライバーさんもひょろひょろで困り顔だしなんだか心もとない。
大丈夫かなあーと心配しつつも出発。
出発して1時間経たないうちに警官に止められました。
け「車両証明書は?」
ド「・・・、(がさごそ)・・・。」
け「はい、罰金30000Tsh(1800円)ー。」
ド「・・・マジかよ!」
1時間経過
け「車両証明書は?」
ド「ないけどさっき罰金払ったよ」
け「領収書は?」
ド「・・・、(がさごそ)・・・。」
け「はい、罰金30000Tsh(1800円)ー。」
ド「・・・マジかよ!(泣)」
ドライバーさんマジ泣きで静まる車内。勘弁してよー
6時間ほど走って、マニャラ湖の近くの町に到着。
ド「ここから君たちには自転車に乗ってもらう。」
我々「えええええええ!聞いてない!なんでや!」
突然自転車に乗れと告げられ大ブーイングでしたが、仕方がないので従うことに。
しかし自転車のタイヤはパンクしてんのかよってくらいにすかすかだし、ブレーキは効かない。
交換を要求すると「こっちは僕のだからダメ!」
・・・子どもかよ。(苦笑)
代わりに持ってこられた自転車は日本の中古ママチャリだし。もはや笑い
ママチャリはおかんに押し付け、気を取り直してマニャラ湖へと向かいます。
1時間くらいこいだでしょうか。
森を抜けるとそこには絶景が!
見渡す限り一面草原でした。
口笛はなぜ~遠くまで聞こえるのっ
↑疲れ果てた弟と元気はつらつなママチャリおばばとワタクシ
遠~くの方にちらちらと輝く水面が見えましたが、それよりもからからに枯れて割れた大地が印象に残っています。これも温暖化の影響なんでしょうか
来た道をまた必死こいて戻り、お次はマサイの村へ。
私たちが到着すると歓迎のダンスを披露してくれました。
そして一緒に混ざって歌って踊るまーヴジュニア
↑案内してくれたマサイさん
さて、マサイの人が通過儀礼でライオンを狩ってくるというお話はご存じでしょうか。
あの百獣の王と一対一で闘い、勝利しないとマサイの社会では大人と認められないのです。
私はそのお話は遠い昔の伝説だと思っていましたが、聞いてみるとなんと彼は笑顔で
「8頭やったよ」
と答えました。
腕には傷跡が闘いの証として残っていました。
あのライオンとやり合うなんて想像するだに恐ろしや。やっぱりマサイの人かっこいい。
村の真ん中に異常に広いアクセサリー売り場があったことから想像するに、この村は商業用にこしらえた村だと思いますが、それでもマサイの人たちはとても親切でまーヴのいやらしい質問にも全て笑顔で答えてくれて私は非常に楽しかったです。
マサイの人と接していると自分のことをとても誇りに思っているのが伝わってくるので、私はいつも背筋がしゃんとなる気持ちがします。
二日目
いざンゴロンゴロへ!
の前に、ライオンを見るためにイスラエルからやってきたおばさまが同乗することになりました。
なんでも前日に車が故障して動かなくなったため、同じツアー会社で予約した我々にすがるほかなかったそうな。
三人で予約したのにー。可哀そうだしまあいっか。
さてンゴロンゴロについて。
ンゴロンゴロ地域には、ンゴロンゴロ・オルモティ・エンパカーイという3つのクレーターが並び、これら活動を停止したものも含め9つの火山が分布する。ンゴロンゴロクレーターは数百万年前に出来た火山のカルデラに広がる平野を指す。外輪は南北16km、東西19kmと世界有数のカルデラである。中央には湖が存在する。人類発祥の地と目されるオルドパイ渓谷がこのクレーターの西にある。
ンゴロンゴロの外輪は標高2,400mあり、カルデラ内部の平野(1,800m程度)と比べてが高い。このためカルデラ内部は外部と遮断されており、このカルデラ内に生息する大型動物のほとんどはカルデラの外にでることはない。周囲と隔離された生態系が形成されるに至った。しかしながら、キリンやインパラ以外の東アフリカのサバンナに生息する動物はほぼ観察することができる。
by Wikipedia
今回私たちが訪れたのは、そのバカでかいクレーターです。
↑写真じゃ伝わらないくらいに大きいクレーター、とカメラを向けるとよくわからないポーズをきめる母。
この下のクレーター内に動物さんがいっぱいいるなんて不思議な気分であります。
クレーター周辺にはマサイの人々も多く暮らしており、時間制限はありますがクレーター内でも放牧が認められているそうです。
野生動物といったら、なんと言っても百獣の王ライオンです。
しかし運転手さんによるとクレーター内に生息するライオンは現在たった十八頭しかいないそう。
原因はいくつかあるそうですが、その一つがマサイのライオン狩りだそうで、彼らは現在クレーター内のライオンを狩ることを禁じられているそうです。
(ドライバーさんに聞いただけなのでどこまでが真実か確証はありません)
あのだだっ広いクレーターにたった十八頭!!!?
そりゃあー相当運が良くなきゃ見れねえな・・・オワタ\(^o^)/
イスラエルから来たおばはんご愁傷さまあー!
と、潔くライオンを諦められるわけもなく、広い草原のどこかにライオンはいないかと目を凝らして探検が始まりました。
まず私たちを出迎えてくれたのはしまうまさん
お尻が筋肉質でいいね
お次はバッファロー
顔の老け具合と身体のアンバランスさがセクシー
プンバ
歩くたびに揺れるお尻に萌え萌え
パンクしたタイヤ
心配そうに見守るまーヴジュニア
弟「ライオンどころじゃねー」
気を取り直して草原を突き進みます。
そろそろしまうまさんにも見飽きてきました。
と、急に4WDを方向転換させるドライバーさん
ド「奴の香りがするぜ!くっ、お前らは本当についてるな!」
しばらく走るとそこにはあの百獣の王の姿が・・・!
ガオー!
一同大興奮。
けっ、毛が!風に揺れているのが見える!息が聞こえる!
超イケメンなおなごまで侍らしていらっしゃる!
この日私たちの運はよかったのか、なんと全部で八頭のライオンを見ることができました。
イスラエルおばさん良かったね。
そしてドライバーさんやるじゃん!
あとライオンを目の前にしても怖気づかずに闘って帰ってくるマサイの青年って一体・・・。
両者とも甲乙つけ難いイケメンです。
さて、持てる運を全てライオンで使い果たしてしまったのか、我々の4WDはその後20回程エンストし、帰りは修理のため土砂降りの中2時間立ち往生させられました。
さすがに怒ったまーヴは帰ってお金の返金を要求しましたが、後日M-pesaで送るとかなんとか言って結局着信拒否されています。
ライオン見せとけばおとなしくしてるとでも思ったら大間違いよ!
嗚呼、タンザニア。