腰振る夜の結婚式
テスト期間が明け、ナミダ涙のお別れラッシュが先週終わりました。
私が一日に摂取する約1.5リットルの水は全て、
私の目から体外へと出ていっているのではないかと疑う程、毎日泣きました。
私のおった鶴をとっても大事そうにポケットにしまうその仕草を、
私は一生忘れません。合掌
大好きなイケメン君たち、一年間まーヴのお世話ありがとう。
さて、先日まーヴはキリスト教徒の結婚式にお呼ばれしました。
「お呼ばれ」と言っても、私のお友達ではなく
私のお友達のお友達の結婚式で、
まーヴの全く面識のない人の結婚式です。
結婚式に参列させてもらうのはこれで3回目ですが、
その3回ともが知らない人の結婚式でした。
「こういう祝い事は人数が多い方がいいから!」
という理由で、私は当日になって何の準備もなしに
突然強制参列させられることになったのです。
そんな感じでとってもオープンなタンザニアの結婚式。
アジア人のまーヴが紛れ込んでいても
誰も私を指さしてひそひそ話することはなく、
「かりぶ~(ようこそ)!」
と皆が笑顔で迎えてくれます。
こちらの結婚式は通常夜に行われます。
私の参列した結婚式も夜9時頃始まりました。
さて私のお友達のアリーくんですが、
今回はDJとしてこの結婚式に召喚されていました。
(あかん、横顔がイケメンすぎて見とれてしまう・・・)
司会者が場の空気を温めたところで、
まずは新郎新婦の登場です。
花嫁さんもきれいだったけども、新郎さんめちゃイケメンでした。
新郎新婦の入場が完了したところで
立ち合い人によってシャンパンが開けられます。
↑しゅぽっ!
シャンパンが開けられるまで、この立ち合い人の彼は
音楽に合わせて約3分間踊らされていました。
大勢の前で3分も一人で踊るとなると
日本人の私から言えば「鬼畜」以外の何物でもないですが、
タンザニアでは当たり前のことのようです。
お次はお決まりのケーキ入刀です。
ケーキを切ったあとは、新郎新婦がケーキをお互いの口に
「あーん」で食べさせ、そのままおアツイ接吻となります。
参列者がここぞとばかりにヤジを飛ばします。
新郎新婦がケーキを食べた後は、
お互いの親族に「あーん」で食べさせてあげます。
新郎は新婦の両親に、新婦は新郎の両親に、です。
自分がやると思うとなかなか緊張しますね。
お次は、親族紹介。
ケーキ同様、新郎は新婦の親族、新婦は新郎の親族
の名前を一人ひとり呼び上げていきます。
「2列目の右端にお座りの御兄さんのバラカさん、お立ち願います。」
という具合に一人ひとり紹介しなければならないので、
名前と顔をちゃんと覚えていないと大変なことになります。
ちなみに全く部外者の私にとっては、
最も退屈な時間です。(しかもこれがやたらと長い!)
退屈な親族紹介が終わると、
ダンスタイムに入ります。
それぞれの親族が順番に前に出てきて、
5分ほどぎゃーぎゃー騒ぎながら
踊り狂うのです。
ものすごいスピードで動く腰の動きに、
まーヴは口があんぐりです。
寝ているあかちゃんを抱えて踊っているママには
すごいですね、の一言です。
踊り狂ったあとはプレゼントの贈呈です。
プレゼントには、
タンザニアの女性が使う布、カンガ、
西アフリカからやってきた色鮮やかな布、キテンゲ、
これからの新婚生活に重宝するであろう、食器
などなどが贈呈されておりました。
この贈呈の時も、音楽に合わせて踊りながら前に出てきます。
本当にタンザニア人は良く踊る・・・。
11時を回ったころ、何も食べずにやってくる
参列者のお腹がぺこぺこになる頃です。
会場の後方でママたちがご飯を用意してくれているので、
皆で行列をつくります。
↑バケツに大量の豪華ご飯を用意してくれているママたち。(バケツかよ!)
結婚式の時のごはんは
ピラウ(日本の混ぜご飯のようなもの)、焼きバナナ、ムチュジ、
鶏肉足一本分、ケーキ(新郎新婦が切ったやつの欠片)、果物などなど
が一皿にこんもりと盛られ、とっても豪華です。
↑赤ちゃんもよだれを垂らしてご満悦の様子
食事中も音楽がガンガン鳴り止まないので、
酔っぱらった近所のおじさんはダンスが止まりません。
↑一人でフォーフォー言って踊り狂っている。
周りの人はそんな酔っ払いに見向きもせずに
豪華な食事に夢中です。
ご飯をみんなが食べ終わると
そのまま結婚式はお開きになり、
DJのかける音楽にひたすら踊り狂います。
踊っているみんなの笑顔は本当に楽しそうで、
うまく腰が振れないまーヴでさえも
一緒に踊りだしたくなってしまいます。
↑腰がオートマティカリーに動いちゃうっ
かたや、ひな壇でずーと座らされている新婚夫婦はむっつり顔で
多少疲れているご様子です。
きっと準備とかでへとへとになっちゃったんでしょうね。
それで踊り狂っている参列者を見ると、
結婚式は「祝われる者のため」にするものではなく、
「みんなのため」にするものなのだと感じました。
タンザニア人にとって結婚式は
日常から離れられる数少ないハレの日なのです。
話は結婚式から飛びますが、
同年代の子たちが成人式で大人の階段を上っている頃
まーヴは浪人真っ最中で成人式に出る心の余裕などなく、
前撮りさえもしませんでした。
その当時は、意義のよくわからない通過儀礼にかける時間とお金が
もったいないと心から思っていましたが、
タンザニアの結婚式に参列し、
そしてアフリカのエスニックグル―プの慣習を学ぶにつけ、
日本にいたときは考えもしなかった日本の慣習を見直すようになりました。
私が成人式をスキップしたことで、祖父母は私の着物姿を
見れなかったわけですが、それだけでなく
普通通りに成人式というイベントに参加すれば
生まれたであろう家族や親戚との会話の機会を、
一緒に過ごす時を、私は
永遠に失ってしまったのです。
家族や親戚から奪ってしまったと言うべきなのかもしれません。
なんて、23歳になった今思ってももう遅いですが、
違った角度から物事を考える機会を私に与えてくれたこの留学は、
少なくとも人生における大事な一年となりました。
もっと周りの人を大切にしよう。腰振れるようになろう。
と思わせてくれたタンザニアの結婚式でした。
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明日から約3週間、東アフリカ一人ぶらり旅に出てまいります。
ダルエスサラームからキゴマまでは時速30キロの列車に揺られて
ちんたら車窓からの眺めを楽しんできます。
ちなみに列車で2泊します。(遠いよー!)
私の一眼レフカメラはまたもやお陀仏となったため
写真を撮る楽しみを奪われたまーヴですが、
現地の人との会話を楽しみにのんびり旅してきます。
それではクワヘリ~!